白山市で行われている認知症講座に参加してきました。
認知症講座は、認知症の予防方法や治療方法、認知症の方への対応について3回シリーズで行われています。
第1回目は白山市民交流センターで行われました。
題目:認知症と向き合うということ(家族の立場から)
講師:山谷 靖昌氏
山谷氏は介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士などの資格を持ち、若年性認知症の妻の介護をされている方でした。
最初にその介護の状況を時系列に説明して頂きました。
在宅で介護をされている様子を、病状の悪化に合わせて説明して頂き、在宅介護の大変さがよくわかる内容でした。
次に「認知症と向き合うということ」という内容で、認知症に関する基本的な知識や、在宅で介護をするご家族の視点からそのご家族に対するケアの重要性などをお話しいただきました。
<認知症にはこんな兆しが>【認知症サポーター養成講座「あつまらん会ネ」資料より】
1.物や人の名前を忘れてあれ、それが多くなる。孫の名前を思い出せず「この子、誰」と受け答えするようになる。
2.怒りっぽくなったり、表情が乏しくなったり、人が変わったようになります。
3.テレビ番組に関心がなくなり、熱中していた趣味をやらなくなる。料理・掃除など家事をやりたがらなくなります。
4.同じ話を何度も繰り返したり、同じ場所を行ったり来たりする。引き出しなどを意味なく開け閉めする。
5.今まで社交的だった人が出かけることをおっくうがって、家に閉じこもる。
6.失敗が多くなり言い訳をする。鍋を火にかけっぱなしにするなど、料理もうまく出来なくなる。その際人のせいにしたり作り話をします。
<認知症をよく理解しましょう>【認知症サポーター養成講座「あつまらん会ネ」資料より】
1.話したことをすぐに忘れてしまい、食べたことなど体験全体も忘れる。たった今のことからさかのぼって昔の世界に戻る。
2.家族介護者のような、より身近な人に対して認知症の症状がより強く出ます。
3.自分にとって不利なことは認めません。作り話は、記憶障害(物忘れ)の認識がないため、無意識に補うために起きるようになります。
4.しっかりした面がある一方で、正常でない行動をするなどの症状が混在します。
5.何かに集中すると、そのことから抜け出せず周りが否定するほどこだわり続けます。
6.言ったり、聞いたり、行動したりする記憶はすぐに忘れますが、その時に抱いた感情は残ることが多いのです。
私も、介護施設で働いており、認知症の方の対応もしているので納得できる点が沢山ありました。
最後に「認知症家族をケアすること」という内容でした。
認知症介護(家族介護)の場合は、ご家族は信頼してきた人の変わりゆく姿を見ることの悲しさとやるせなさを抱えつつ、介護している。
在宅介護の場合は、ケアする人は二人いる。それは、要介護の人と、その世話をして様々なストレスにさらされている家族介護者である。
私は施設で介護をしていますが、何年か一緒にいるとその人が変わっていく(病状が悪化する)様子を見ることになります。その際は、やはり悲しい気持ちになります。
ご家族であればさらに長い年月一緒にいるので思い出も多くて、その変わっていく様を見るのは本当につらいことだと思います。
今回の講座に参加して、これまでの自身がしてきた介護を振り返るいい機会になりました。
忙しいということを言い訳にせずに、ご本人、そのご家族のお気持ちを踏まえた対応をこれからもしていかなければならないと思いました。